先日、冬の訪れを感じる寒空の下、シクラメンを求めて近所の生産農家さんのビニールハウスへ行ってきました。シクラメンの「のぼり」が販売開始の合図だと勝手に思ってます。



ギャップがすごい!ハウスの外と内
農場への道は、枯れ草が多くて少し殺風景な雰囲気でした。 特にハウスの外観は、曇り空と相まって、業務用のビニールとガラスが連なる、いかにも「生産施設」といったたたずまいです。

正直、「本当にここに、あの華やかな花があるんだろうか?」と不安になるほど。
しかし、一歩扉を開けてハウスの中に足を踏み入れた瞬間の感動は忘れられません。
ハウスの外側と内側のギャップがすごいです!
まるで別世界。温かい空気と共に、目に入るのは鮮やかな色彩の洪水でした。ピンク、赤、紫、そして純白のシクラメンが整然と並べられ、一斉に咲き誇っている光景は圧巻の一言です。

これぞまさに、生産者さんが愛情を込めて育てた賜物。その圧倒的な熱量に、寒さで縮こまっていた心まで一気に解放された気がしました。

部屋が明るくなって嬉しい!
様々な色に目移りしましたが、今回はシンプルな美しさに惹かれて、白と赤のシクラメンを購入しました。
特に白いシクラメンは、その立ち姿の美しさが格別です。家に持ち帰り、窓辺の明るい場所に飾ってみたところ、予想以上の効果がありました。

部屋が明るくなって嬉しいです。
これまでは観葉植物の緑がメインでしたが、この小さな白いシクラメンが加わっただけで、部屋全体がパッと華やぎ、冬の柔らかな日差しをさらに美しく反射してくれます。朝、目覚めてこの景色を見ると、清々しい気持ちになれますね。


真綿色したシクラメンほどすがしいものはない…
美しい白い花をぼーっと眺めていると、不意に、ある歌のフレーズが頭の中を巡り始めました。
「真綿色したシクラメンほどすがしいものはない。。」
この一節が、思わず口をついて出てしまうほど、目の前の白いシクラメンの清楚な美しさは心を打ちます。そう、布施明さんの名曲『シクラメンのかほり』です。この曲が発表されたのは1975年ですが、今なお多くの人の心に残る名曲であり、シクラメンといえばこの歌を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。特に、真綿色という表現は、単なる「白」ではなく、綿のように温かみがありながらも透き通るような純粋な色合いを見事に表していると感じます。
こんな歌詞が自然と浮かんでくるなんて、我ながらすっかりオジサンになったものだと笑ってしまいましたが、この「すがしさ」という表現は本当に的を射ています。
派手さではなく、清潔感と凛とした美しさを備えた白いシクラメン。冬の生活にそっと寄り添ってくれる、最高のパートナーに出会えました。

コラム:日本のシクラメン名産地
今回、近所の農家さんからシクラメンを迎え入れましたが、シクラメンは日本の高い栽培技術によって、全国各地で高品質なものが生産されています。
特に、大規模な花卉栽培が盛んな愛知県や、鉢花として非常に高品質なものが流通している埼玉県、そして温暖な気候を活かした栽培が特徴の静岡県などが主な産地として知られています。
私たちが目にする美しいシクラメンの陰には、このような地域に根差した多くの生産者さんの情熱と努力があるのですね。
連れて帰ってきたシクラメンを長く楽しむ方法
素敵なシクラメンを長く楽しむために、基本的なお手入れのポイントをご紹介します。
1. 置き場所:涼しくて明るい場所が大好き
シクラメンは寒さに強い一方で、暖房の効いた高温の環境や乾燥が苦手です。
- 適温: 10℃~18℃程度の、涼しい場所を好みます。
- 日当たり: 明るい場所が好きですが、真夏の直射日光は葉焼けの原因になります。冬場は窓辺の柔らかな日差しが理想的です。
- NGな場所: 暖房の風が直接当たる場所、夜間に極端に冷え込む窓際(夜は部屋の中央などに移動させるのがおすすめです)。
2. 水やり:底面給水がおすすめ
水は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。一般的な植物と違い、葉や球根に水がかかると腐る原因になるため、底面給水がおすすめです。
- 鉢の下の受け皿(または専用の底面給水鉢)に水を張り、鉢底から水を吸わせます。
- 水やり後30分~1時間ほど経ったら、受け皿に残った水は必ず捨てましょう(根腐れ防止)。
3. お手入れ:終わった花や葉は早めに摘む
咲き終わった花や黄色くなった葉は、そのままにしておくと病気の原因になります。
- 花や葉の付け根(球根付近)を、ねじるようにして摘み取りましょう。ハサミを使うよりも、手で摘んだ方が病気の侵入を防ぎやすいと言われています。
- 肥料は、開花期(冬場)に液体肥料を2週間に1回程度与えると、次々と花を咲かせてくれます。
これらのポイントに気をつけて、お気に入りのシクラメンと長い冬を共に過ごそうと考えてます。

