「〜せざるを得ない」と「〜せざる負えない」、あなたはどちらの表記を使っていますか?
実はこれ、片方が間違いなんです。
今回は、この2つの表現のどちらが正しいのか、そしてなぜそう書くのかについて解説します。
結論:「せざるを得ない」が正解です!
「〜せざるを得ない」が正しい表記です。「せざる負えない」は間違いですので、注意しましょう。
なぜ「得る」が使われるのか、その理由を見ていきましょう。
なぜ「得る」を使うの?
この表現に使われている「得る(える)」という動詞は、「〜することが可能である」という意味を持っています。
例えば、「理解し得る」は「理解できる」、「あり得る」は「ありえる」という意味ですよね。
この**「可能である」という意味の「得る」**と、否定を表す「ざる」(〜しない)が組み合わさることで、「〜しないわけにはいかない」「〜せざるを得ない」という、「〜するしかない」という強い意味が生まれます。
「負う」はなぜ間違い?
一方、「負う(おう)」という動詞は、「責任を負う」「借金を負う」のように、「負担や責任などを引き受ける」という意味で使われます。
そのため、「〜するしかない」という意味合いで使うのは不自然で、間違いになります。
もし、間違えている人を見つけたら?
身近な人が「せざる負えない」と書いているのを見かけたら、どう伝えればいいでしょうか?
「それは間違いだよ!」と直接指摘してしまうと、相手を傷つけてしまうかもしれません。そんなときは、次のような伝え方がおすすめです。
- 「私も以前、どっちだったか迷ったことがあります。」
まずは共感の姿勢を見せることで、相手の警戒心を和らげることができます。「〜って、どっちが正しいか迷いますよね」と話しかけてみるのも良い方法です。
- 「調べてみたら、『せざるを得ない』が正しいみたいですよ。」
「私が調べた情報では…」という伝え方をすることで、相手を責めることなく、正しい情報を伝えることができます。
- 「似ている言葉が多いから、うっかり間違えちゃいますよね。」
「間違いやすい言葉ですよね」と伝えることで、相手は「自分だけじゃなかったんだ」と安心できます。
大切なのは、相手に恥ずかしい思いをさせないこと。ソフトな言い方で、さりげなく知識をシェアする姿勢が大切です。
まとめ
- 正解:せざるを得ない
- 間違い:せざる負えない
正しい日本語を知ることで、より正確に、より自信を持って文章を書くことができます。もし誰かが間違えていたら、そっと教えてあげる優しさも大切ですね。ぜひこの機会に覚えておいてください!
ちなみに、私は北海道育ちです。この年齢になっても未だにゴミを投げると言ってしまいそうになります(;^_^A